バイバイ蓉浜

 夏休みをのほほんと過ごして帰ってくると、待っていたのは新聞の山。 そう、私の個人的希望で、長期不在でも新聞は入れてもらってます。ゆえに帰っ てきたら玄関新聞だらけ。ダンナはどうせ読まないんだからっていうんだけど、 私は必死になって一日かかって二週間分読むのです。

 そんな中で、やっぱり新聞とっておいてよかったと思わせる記事がありまし た。

 うれしい話題じゃないんですが…。

  以前、ご紹介した、蓉浜がこの7月に亡くなっていたとの記事でした。日中、誰も いないうちの中で黙々と新聞を読んでいて、写真入りでパンダが出ていたので、 思わずはしゃいでしまったのですが…見出しと、引き句を読んでみたら、それ蓉 浜の死亡記事だったのでした。

 読売新聞8月17日付け記事によると。
 今年6月ごろから食欲不振になり、治療を続けたが、7月17日になって死 亡した、という。死因ははっきりせず、今後中国から派遣された獣医二人が解明 に当たる予定。
 とのことでした。

 この記事読んで、わんわん泣いてしまったのは云うまでもありません。自分 に似ていると仮にも云われた(ダンナしか云ってませんが)パンダだから、他人 とは思ってなかったんです。最近も白のタオル地のタンクトップ(BYキティの )を着て背中丸めて新聞読んでたら「なんかな〜、白浜のパンダみたい」って云 われたばかり。正直云って彼女が死んでしまったなんて信じられませ んでした。オスの永明にちょっかいを出しては、ぶんぶんと殴られていたので、 「ちょっかい出すやつは早死にするんじゃない?」なんてダンナに云われてさら に泣いてしまった。

 ダンナには「あんたも健康診断行ってきなさいよ」って云われてしまいまし た。別に体調悪いとこはないんだけど、蓉浜のことを思うとそうかもしれない。 女30だし、健康診もいっといたほうがいいかもしれないですね。

 この9月の連休にでもまたどっか行こうかって話してた時に、再度私が「白 浜のパンダに会いに行こうね」って云ってたばかりでした。白浜に行っても蓉浜 がいないのなら、寂しいもん。一匹になってしまった永明も寂しいと思う。しょ っちゅうちょっかいを出してきて、いつものたくたしていて、ゴロゴロしていて 、かわいかったのに、あいつどしたんだろうって思ってるでしょう。ダンナに「 ひとりぼっちになったらどうする?」って聞いてまた涙。え〜ん、それ悲しいよ お。先に死ぬのはいいけど、残されたら悲しいよなあ。くすんくすん。

 あんなにパンダらしくて、人間くさいパンダはもうお目にかかれないんだろ うなあ。二世誕生を待ち望まれていたのもウチと同じ。うーん。それがプレッシ ャーだったのかな。そんなストレスとは無縁そうな、平和そうなパンダだったの に、悩みはあったのかもしれないですね。(私自身が楽天的に見えて実はってや つだからして)これで日本にいるパンダは4頭だけということ。朱鷺の日本種は 絶滅が決定してしまいましたが(私の故郷には老齢のキンが一羽いるのみ)、日 本にいるパンダの繁殖は…天に任せるしかないですね。人工授精のパンダなんて 、なんか悲しいもん。

 なんか自分のことにも受け取れる内容になってしまってすみません。だって 悲しかったんだもん。あいつ(蓉浜)日本に来て楽しいことあったのかな?人に じろじろ見られて、ストレスたまってたのかな?(それはお前のせいだろう!) 二世誕生のプレッシャーがあったのかな?それとも永明との相性があんまりよく なかったのかな?(それは永明に失礼か)どういう理由があったにせよ、蓉浜は 死んじゃいました。もうあの屈託のない笑いを誘う動きは見ることができません 。もっと早くにもう一度会いに行きたかったなあ。もう何を云っても後の祭り。
 蓉浜のご冥福を祈ります。

天国でものたのたしててね。

(97.08.31)



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